レビュー 安藤美冬


多様性は面倒くさい。
それは、学部生として日本人がたったひとりという状況でのオランダ留学、
執筆のための海外取材、
そしてこれまで世界53カ国をバックパックを背負ってまわってきて、
多少なりとも海外経験を踏んで来た自分の正直な気持ちである。

人間はできれば似通った人たちと一緒にいたいし、
その方が親しみも増すだろう。
Twitter、あるいはブログなどを通じて
日々不毛なネット論争(まがいのもの)を目にする度にそう思う。

とはいえ、自国の文化を紹介するときの前置きのわずらわしさ、
異なる視点や思考を気遣う面倒くささ、
そもそも使い慣れた自国語が通じないまどろっこしさ、
そうした多文化、多言語、多様性の前に立ちはだかる壁は、
どうやら乗り越えた先に大きなご褒美がある。
それは愛の世界であり、友情の世界であり、深く魂同士が結びつく世界だ。
私自身、そろそろ10代後半〜20代前半の頃のように再び世界に出て、
世界を感じたいと思い始めている。
その壁は面倒でしかたないが、まだ観ぬ世界にわくわくを感じてもいる。
「バベルの学校」は、そんな世界のゲートウェイ。
多くの人に、「みんなでひとつ」の世界を体感してもらいたい。