可児 ひろ海(「Skinware(スキンウェア)」 ディレクター)

ランチよりも安くTシャツが買える時代。
ファストファッションの登場というファッション産業の「革命的」な大きい変化 が訪れて、いつの間にか、日常のひとつになってしまった今の世界。

なぜこんなに安く服が売られるのか?
そこには必ずカラクリがあるはずなのに、動いている流れがあまりにも大規模で、実感を持って考えられる規模を超えてしまっている。

そのせいで、私たちはいつか、見ないふりをするようになってしまった。
そしていつの間にか、私たちの生活に役に立っていることもある、と言い訳すら するようになってしまった。

『ザ・トゥルー・コスト』は、そんな私たちの麻痺した感覚を、揺さぶり、呼び覚ます映画。

飛行機でいけば数時間のところに住む、人々の苦しみを「隣にいる人の悲劇」と 考えられるだろうか?

私たちが身にまとうものが、この地球に生きる誰かの命や、愛する大切な人を失 う悲しみや、健康的に生きられない絶望と引き換えになってはいけない。

ひとつの衣服が、自分の手に渡るまでに起こっていることを知ること。
その事実を知ることが、私たちがやるべき最初のステップ。

次のステップは、誰かの悲劇の代償になっているものを選ばないこと。

その先に、作った誰かが幸せになるものを選ぶこと。

次のステップは、誰かの悲劇の代償になっているものを選ばないこと。

その先に、作った誰かが幸せになるものを選ぶこと。

衣・食・住という基本的な要素のひとつ。これからも、私たちは服を着る。
その未来に、作る人も、売る人も、着る人も、皆が幸せになれるサイクルができるように。

そのサイクルを作るべく日々チャレンジを続けている人た ちへ、
映画『ザ・トゥルー・コスト』は大きな エールをおくっている。

可児 ひろ海(かにひろみ)

オーガニックコットンのワンマイルウェア・インナーウェアブ ランド 「Skinware(スキンウェア)」 ディレクター。
2001年レディスブランド 「 COCOON (コクーン)」を立ち上げ、2007年まで東京 をベースにコレクションを展開。
2004 年に、オーガニックコットンのウェアブランド 「Skinware」をスタート。 エシカルファッションの流れの先駆けとなった。
2008年にCOCOON、Skinwareのコレクション休止。
その後は様々なグローバルファッションブランドで、デザイナー、コンサルタン トとして、新ブランド立ち上げやブランドリニューア ルなどプ ロジェクトに参 画。また、サステイナブルをテーマにした愛・地球博(愛知万博)のユニ フォー ム製作なども手がける。
2014年Skinwareを、リニューアル、再ローンチする。

Skinware オフィシャルウェブサイト