プロデューサーメッセージ

この映画を作り始めた瞬間から、私がなぜ医療トークショー「ザ・ドクターズ」で評判のプロデューサーとしての自分のキャリアをなげうち、現代医学で最も物議を醸している人物、アンドリュー・ウェイクフィールド博士と映画を作ることになったのか皆に尋ねられました。私には選択肢がなかったのです。

「ワクチンは安全」これは医学界で声高に叫ばれているメッセージで、「The Doctors」関係者や、広く一般にも信じられていることです。しかし、2014年の秋、米国疾病対策センター(CDC)の上級研究員と彼の同僚の5人が、2004年のはしか、 おたふく風邪、 風疹(MMR)ワクチンと自閉症との因果関係についての研究を隠ぺいしたことをインターネットで内部告発したことを知り、全てが変わりました。

さらに衝撃的だったことは、米国政府機関が何百万人もの子供たちに欠陥のあるワクチンを打ち、子供たちを傷つけ続けていたことを、どの主流新聞、テレビ、ラジオ番組も報じなかったことです。ジャーナリストたちは眠りこけていたか、製薬スポンサー企業に黙らされていたのです。アンドリュー・ウェイクフィールド(私はアンディーと呼んでいます)の存在がなければ、この事件は世に知られていなかったかもしれませんし、私も眠ったままだったかもしれません。

アンディーと出会ったとき、「赤ちゃん殺し」、「反ワクチン運動の父」、「自閉症とワクチンの関係性について嘘の論文を書いた詐欺的な医者」、「子供たちに不必要な実験をした医者」など次から次へと思い浮かぶ彼のレッテルに悩まされました。しかし、アンディーにCDCの内部告発者であるウィリアム・トンプソン博士についてのドキュメンタリー映画を観せられた時、私は圧倒されました。証拠は疑いようのないものでした。CDCは世界に嘘をついていたようです。これは、私にとって生涯最大のスキャンダルな事件でした。エミー賞を受賞した医療番組プロデューサーとして、複雑な医療ドキュメンタリー作りを行う力があることは知っていましたが、私はまず、アンディーについて調査しなければなりませんでした。

アンディーの事件について調べ始めると、私は彼について真実ではないことを鵜呑みに信じ込んでいた自分に気づきました。まず、アンディーが一度も反ワクチンの立場に立ったことがないことを知り、ショックを受けました。なんてことでしょう!アンディーは、多くの親たちが自閉症との関連の疑いをかける新三種混合(MMR)ワクチンの同時摂取には反対ですが、はしか、おたふく風邪、風疹ワクチンの単独摂取は推奨していたのです。

妥当に思いました。より驚いたのは、問題となっているランセット誌に発表した論文で、MMRワクチンと自閉症との関連を証明していないことを明確に述べていることです。研究対象となったほとんどの親たちは関連性を主張しましたが、決定的な結論に達するには、さらなる研究が必要だとしていたのです。真実は違ったのです。

また、驚いたことにアンディーへの異議申し立ては、医療専門家や医療機関によって始まったのではなく、ルパート・マードック氏のためにフリーランスジャーナリストのブライアン・ディアー氏がサンデー・タイムズ誌にゴシップ記事と同レベルの記事を書いたことで始まっていました。イギリスの総合医療審議会は、最終的にアンディーの医師免許を剥奪した医療裁判の根拠として、ブライアンの想像力豊かな解釈を使用したのです。

ランセット誌に発表した論文は、アンドリュー・ウェイクフィールド単独の不正行為とずっと聞いていましたが、実際に論文を読み進めると他に12人の共著者がいることに気づきます。アンディーが論文を書き上げるために偽データを使ったという主張は、共著者たちがそれぞれの分野で権威ある医学者で、それぞれが責任者としてテストの実行、データの出力、そして最終的に署名する前に正確性を確認していることを知れば、その主張がおかしいと分かるはずです。それではなぜ、アンディーだけが13人の共著者のなかで医師免許を剥奪されたのでしょか?恐らくその理由は、アンディーだけが勇敢にもワクチン製造会社やイギリス保険省からの圧力に屈せずに、MMRワクチンが自閉症を引き起こす可能性について、より大規模で深い研究を行おうとしたからではないかと思います。

そして、研究費が偏りのある外部から支払われたという主張がありますが、その主張は、資金提供者が全てロイヤルフリー病院により承認されていることを知れば容易に反論できます。最後に、私にとって最も嫌な非難は、アンディーが無実の子供たちに不必要な処置を行ったという主張でした。子供たちが自閉症に加え、胃腸の痛みや腸の問題に苦しんでいるため、両親が子供を病院に連れて来たのです。「不必要な処置」とは、アンディーの同僚によって行われた大腸内視鏡検査および腸生検を指します。私は消化器内科医がこれらの標準検査を行わずに腸疾患をどのように調べるべきかを知りません。しかし、私は医者ではありません。また、医学的進歩を妨害したジャーナリストも同様です。

歴史は、ガレリオのように「地球は宇宙の中心ではない」といった常識破りの発表をするものは迫害されることを示しています。そのような反応は、人類の大きな欠点だと思います。ガレリオやアンディーのような人々は、異端なために迫害されるのです。彼らの違いは、ガレリオが投獄されたことは、天文学の進歩が遅れることを意味しましたが、アンディーを止めることは、かつて自閉症は1万人に1人だったのが、今や45人の子供に1人になるまで加速度的にこの40年の間に自閉症率が高まっていることを放置し、自閉症のさらなる流行を食い止められないことを意味します。一方、CDCは引き続き、「何が自閉症を引き起こしているのか分かりません」と私達を安心させようとしています。

ウィリアム・トンプソン博士は、CDCがMMR研究のデータを不正に操作したことを強く示す物理的な文書とデータを提出しました。彼は、研究中にいくつかの異なる個体群で自閉症リスクの有意な増加が見られたが、この事実を隠ぺいするために、母数を減らしたり、データを削除するなどの不正を行ったことを告発しました。MMRと自閉症との因果関係はないと主張するこの不正な研究が発表されてから、およそ100万人の子供たちが自閉症と診断されました。自閉症の増加をグラフ上にプロットした数学者は、自閉症の増加が完全な指数関数の曲線であることを発見しました。このトレンドを何かの方法で変えなければ2032年には、2人に1人が自閉症スペクトラムを持ち生まれてくるとしています。これは危機的な状況です。

あなたがこの文章を読む頃には、すでにこの映画は嘘だらけだから見るべきではないという宣伝が、製薬産業に資金提供されたメディアによって発せられているかもしれません。ウィリアム・トンプソン博士は、これまでのCDC在籍期間中に賞を受賞するほど優秀にも関わらず、過去の内部告発者がそうであったように、「頭がいかれってしまった」「妄想しているだけだ」などと非難されるでしょう。彼らはウェイクフィールドの論文を引っ張り出し、ブロガーなどを使い、非難を始めるでしょう。彼らがどのように私のことを言うのか正直想像がつきませんが、決して良くは言わないでしょう。もしあなたが企業のロビイストの言うなりであることに疑問を感じず無関心なままでいてもいいのなら、この映画を観る必要はないでしょう。しかし、もしこの映画を観たら後戻りはできません。私と同じような義務を負うことになるでしょう。なぜならアインシュタインがこう言っているからです。「知る特権を持つ人は、行動する義務がある。」と。

2016年3月 プロデューサー デル・ビッグツリー

デル・ビッグツリー プロデューサーについて

エミー賞を受賞した医療トークショー「ザ・ドクターズ」で6年間プロデューサーを務める。映画監督、そして医療調査ジャーナリストとして、視覚的に衝撃的な映像、感情あふれるインタビュー、偏見のない調査レポートを昼間のお茶の間に届けることでよく知られている。代表的な番組に、モンサントの毒物学博士ドナ・ファーマーとGMO活動家ジェフリー・スミスとの間で行われたテレビ討論などがある。ビッグツリーがCDC内部告発者の話と、CDCによって犯された不正を調査し始めたとき、すぐにこれはこれまで見聞きしたことのないレベルの腐敗と欺瞞の事件であることを理解。ビッグファーマと英国保健省によるアンドリュー・ウェイクフィールド潰しの実態を知り、「MMRワクチン告発」の制作を決意した。ビッグツリーはアンドリュー・ウェイクフィールドとの映画制作を誇りに思いつつ、この作品により、真に独立した研究が行われ、全てのワクチンが安全な物になることを願っている。

ポリー・トミー プロデューサーについて

20歳の自閉症児、ビリーの母で、著者。世界的に著名な自閉症専門誌「自閉症ファイル(The Autism File)」の創刊者で編集長。自閉症メディアチャンネル(Autism Media Channel)のホストで「Who Killed Alex Spourdalakis」のプロデューサー。英国と米国で活動するNPO「自閉症トラスト(Autism Trust)」の創始者で、世界中のメディアで露出。どんな政治家やリーダーとも妥協することがない。英国雑誌編集者協会などから多数ノミネートや賞を受賞している。