ユナイテッドピープルのアーヤです。短期でイギリスに行ってまいりました。
一番の目的は、大親友に結婚のお祝いを言いに行くことで、それについては、現在実施中の、シリア映画『それでも僕は帰る』(仮)クラウドファンディングページに掲載しております(※コレクター限定アップデート)。
https://motion-gallery.net/projects/return_to_homs/updates/7664
せっかくイギリスまで旅をするので、“面白い町”にも立ち寄ってきました。Todmordenというイギリス中部のこの小さな町は、数年前までは、観光客が訪れることなどほぼ皆無でした。しかし今では世界中から、季節を問わず、訪問客が絶えません。

町中からキレイな鳥のさえずりが聞こえる、“自然”いっぱいのとても素敵な町です。
…というのも、この町、町中にEdible vegetables(食べられる野菜(植物))を植えているのです。
数年前まで、親世代の人たちは、自分たちで料理することなく、冷凍食品などをレンジで温めて食べるばかり。子供たちは卵がどこから来るかも知らなかったと言います。
また、町全体、農業に向く土地がほぼ無かったそうなのですが、そんな中から町中のちょっとした土地に、食べられる植物を植え始めました。そこで育った野菜はすべて「Public(公)」のもの。誰でも好きに収穫して構わない仕組みになっています。
(いくら「シェア」と言われても、公の場所から採っていくのには抵抗がある人も多かったとのこと。特に、警察署の前の野菜は(笑)。)

警察署敷地内も、いろんな植物がたわわに育っていました。

食料品店の前。店外に生えているものを加工した商品を、店内で買えます。
そんな“地産地消”の植物を植える過程に子供達も参加してもらったり、収穫できた野菜で一緒に料理をしたり、そうした活動を通じて、地域内外の人とのコミュニケーションも増え、ビジネスも生まれ…、さまざまな視点からプラスの循環が生まれているそうです。

街中の様々な場所に、こうした教育的な看板も貼られていて、歩きながら目にしているだけでも、とても勉強になりそうです。

地産地消のお肉やチーズも。Vegetableから始まって、波及効果。大企業をやめて、精肉屋さんに転身した人もいるとか…。

左が「Soap Garden(石鹸ガーデン)、右が「Tea Garden(お茶ガーデン)」。食べるだけでなくて、いろんなものに活用できる植物、すごい!!
ちなみに、ガイドをしてくれたEstelleさんは、旦那さん共々、ロンドン生まれ、ロンドン育ち。10年ほど前まではロンドンで暮らしていたものの、あまりに忙し過ぎる生活に嫌気が差し、Todmordenに引っ越したと言います。(勤務時間の関係で、夫婦ですれ違いの生活になることもあり、人生において何が大切かを、考えさせられた…とも話していました。)
そんなEstelleさんにとって、Todmordenでの暮らしは最高。「ロンドンでは、街中で誰かと話すことなんてなかった。Todmordenに来たら、通りですれ違った人たちと会話をする。大きな家族ができたみたい。今70歳だけど、何かあったとしても、すぐに誰かが必ず気づいてくれる。(日本のような孤独死の問題は起きない)」と話してくれました。

取り組みの説明と町の案内をしてくれたEstelleさん。ユーモアを交えながらのガイドに、たくさん笑いながら時を過ごしました。
日本から訪れたStranger(異邦人)の私も、不思議とこの町に降り立った時から心地よく、「いつか住みたい!!」と思うような場所でした。
Todmordenの取り組みは、環境の問題であり、食の問題であり、そしてコミュニティにも関わる、小さくて大きなチャレンジなのではないかと思います。
今では世界中から視察に来た人たちが、自国で同様の取り組みを広げていってもいるそうです。(Incredible Edible Todmordenのメンバーシップは「If you eat you’re in.」ということで、「食べる人」であればだれでも加われます(笑)!)

こんなに狭い空間にも植えているそう。…とすると日本は“宝”の山では…?!
IETの取り組み、とても私も語り尽くせないので、詳細については、下記公式サイトやTEDトークをぜひご覧ください!