2016年8月6日公開 ユナイテッドピープル配給

寄付経験者向け試写会を開催しました!



7月13日に、これまでに何かしらの形で寄付をしたことがある方を対象とした特別先行試写会を開催しました!!

参加いただいた方々がこの作品に関心をもっていただいた理由は…

  • 学生時代から国際協力に携わってきたものの「援助慣れ」し、自発的に行動しなくなる途上国の人々に出会い、「援助は人や国をよくしているのか?」という疑問がずっと自分の記憶の中にあったため。
  • 寄付が寄付をする人の気持ちと違う使われかたをしているのをよく耳にしていて、311以降、その疑問がより大きくなったため。
  • 前職で企業のCSR活動推進を担当していたため、社会貢献活動の支援先のこと、支援後の継続的な状況把握について、いつもとても気になっていたため。
  • もともと災害と地域社会の研究をしていて、ピースボートでもインターンシップをしたことがあり、貧困・飢餓をはじめとした国際問題に興味があるため。
  • 自分でもアフリカでNGOによる支援の場に居合わせたことがあり、その時感じた違和感がずっと頭にあったため。
  • ワクチンや地雷除去などの寄付活動を行っているため。

など、非常に様々でした。

また、「これまでに寄付を積極的にしてきたか」尋ねたところ、寄付への積極度も多様な方々にお集まりいただきました。

「非常に積極的」を5、「非常に消極的」を1とした5段階評価

「非常に積極的」を5、「非常に消極的」を1とした5段階評価

映画鑑賞後のアンケートでは、「本作を観てよかったと思いますか?」との質問に、全員が「非常によかった」「よかった」の回答をしてくださいました。

 

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「非常にそう思う」を5、「まったくそう思わない」を1とした5段階評価

 

その理由としては、

  • 援助の先に何が待ち構えているのか、という事実を知ることができた。
  • 支援&受け入れ先の関係以上に、社会/世界は複雑で、がんじがらめになっていることが分かった。一方で、寄り添うこと、相手の立場に立って考えること、人間として当たり前のことだが、これが基本であると思った。
  • 貧困をもたらす本当の原因は、本来の社会の仕組み、政治関係や固定概念である。誰も言おうとしないことをズバッと伝えてくれた
  • あの有名ブランドも、キャンペーンも、団体も、現地の産業を壊し、生活を壊す可能性があるという仕組みを理解できた。
  • 表層的な事象だけで物事を見る愚かさと危険性を知れた。
  • 善意で行っている寄付が現実にはどのような影響を与えているのかを知ることができた。
  • 寄付する場合は対象の状況をよく把握して行うべきだと思った。一方通行の寄付は行わないよう、注意すべきと感じた。

といった声がありました。

また、「寄付や国際援助に対するイメージが変わったか?」という質問については、「想像の範囲内だった」「なんとなく知っていた」という方もいましたが、「その具体的なイメージを見れてよかった」「現地の人の生の声を聞けてよかった」といった声が多く寄せられました。

一方、「寄付の行き先などという情報がなかなか公開されないことに、初めて疑問を持った」「寄付をすることで、有意義な援助になっていると思っていたことが、錯覚であったこと。新たに知った事実について衝撃を受けた」「ここまで大きな組織や利権が絡んでいるとは思わなかった」など、知らなかった事実に触れて衝撃を受けた方も多くいらっしゃいました。

さらに、この作品を友人や家族に薦めたいか尋ねたところ、9割弱の人が「非常にそう思う」と回答してくださいました。

 

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「非常にそう思う」を5、「まったくそう思わない」を1とした5段階評価

 

特に、「最近ソーシャルビジネスや社会貢献に興味を持った人」「企業で支援活動をしている/担当している人」「政府のODAに関わっている人」「海外との事業に取り組みたい若者」などに見てもらいたいという声があったほか、「来年大学を卒業する息子と、今年大学に入学した息子へ、寄付や援助に限らず、物事の本質を学んでもらうきっかけにしてもらいたい」という声もありました。

最後に、映画全体の感想としては、下記のような意見が寄せられました。

  • 今一度、「援助とは何か?寄付とは何か?その先に何が待ち受け。誰がいるのか?」を考えるきっかけになった。「中小企業vsNGO」という構図は考えたことがなかった。「稼げる親を育てれば、その子供達を救える」という言葉も印象的だった。どうしたら継続的、持続可能な社会を築けるか…も大事なテーマだと思った。
  • 現地のプレーヤーの声を多く聞けたのがよかった。より多くの人に見てもらい、「援助」や「支援」を否定するのではなく、しっかり現実を見ながら社会構造を変革していけたらいいなと思った。
  • アメリカや国際的な機関がターゲットになっていたが、日本の活動にも、数を追うのではなく、十分考えた活動をしているか、確認する必要があると思った。支援をするひとりひとりが、自分の考えで判断し、他の人と議論することも大切だと思う。現実を知ること、考え直すこと、気づくこと、を大切にしたいと思った。
  • 本当に素晴らしい映画だった。ずっと支援を上げ続けている人と、受け続けている人の両方の観点を取り入れているのがよかった。支援以上に効果のある提案(現地の人のエンパワーメント、親のサポート、現地ビジネスのサポート)もされていたことが素晴らしかった。
  • 国、NGOなどの組織、企業、セレブなど、それぞれの位置付けと問題点が明らかになっている。農業(米作)が壊滅し、人が援助に頼っている状況はいかにして打開できるのか、これはグループ討論のなかで、熊本地震にボランティアに行った方の話を聞いて、同じ状況だと感じた。
  • 寄付も大きな資本主義の流れの中にあることを目の当たりにし、衝撃を受けた。寄付したお金の行方と使われ方を、きちんと知って、社会に責任を持ちたい。
  • 映画を見てから色々と疑問が膨らんだ。勉強が必要。寄付に自己満足している場合じゃない
  • 寄付や援助は対象先の状況をよく調べて、短期的ではなく長期的な視点で責任をもっておこなうべきだと思う。

試写会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました!!
公開まで残り約1週間。お楽しみに!!

映画『ポバティー・インク 〜あなたの寄付の不都合な真実〜』
8月6日(土)より渋谷アップリンクほかで公開!!

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