2021年1月30日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
「戦争は政治の継続」(クラウゼヴィッツ)ではなかった。逆に、
政治のほうが戦争の継続だった!兵器産業の使い走りと化した
現代政治の真実の一端がここにある。
山形浩生翻訳家、評論家
無数の命を奪った人間が私腹を肥し、突如日常を粉々に砕かれた人々は置き去りのまま。生々しい現実が、映画から浮かび上がる。この現状を少しでも変えたいのならまず、恐怖を煽る言葉の前で一度立ち止まり考えたい。権力者が恣意的に口にする「テロ」とは何を指し、誰を攻撃するものなのか、と。
安田菜津紀フォトジャーナリスト
いくつかは知っていた。でもようやく点と線がつながった。これほどに怒りがわいてくる映画は久しぶり。
その怒りは気づかなかった自分にも向かう。変えなくては。強く思う。
森達也映画監督・作家・明治大学特任教授
すべての国家は国民の帰依を必要とする。
有効な方法は怖がらせること。
国民は恐怖からの解放を希求し、より強い国家を求めるから。
それは永久に持続しなければならない。
だから敵を製造する。
その世界の中心はアメリカ。
政権が、共和党、民主党であろうが、それは同じ。
敵がどこに潜んでいようと抹殺する権利があると、国際法を無視して世界全体を常時戦場にし、未遂の敵まで標的にする方式を確立したのはオバマ政権。
敵の製造に協力するアラブの友好国へ、全世界の総額を上回る史上最大の武器売買をやったのも同政権。
悪夢のトランプが去り、オバマの後ろで微笑んでいたバイデンがその座に就く。この現実を日本人に。
伊勢崎賢治東京外国語大学教授
戦争で、多くの子ども、女性、一般市民が傷つき、命を落とし、そして涙を流す。一方で利益を上げる戦争ビジネス。戦争の恐ろしいギャップ。
土井香苗国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表
世界から「戦争」がなくならない理由の一つが、この映画で語られている。これは人間の形をした愚かで強欲な怪物達を描いた恐ろしいドキュメンタリーだ。
赤ペン瀧川映画プレゼンター
世界各国がSDGsの達成を目指す一方で、一握りの権力者と軍事企業が「金」のために戦争や紛争を作り出している。その現実を私達は直視し止めなければならない。
井上高志一般財団法人PEACE DAY 代表理事
資本主義の行き着く先で待っているものは?吐き気を催すほどにおぞましいマイウェイを聴きながら、それでも1秒たりともこの映画から目を離してはいけない。より高価に、より大量に・・・その考えを人々の恐怖と不安が加速させる。ブレーキは愛?でも僕たちは今、この瞬間にも多くの愛を、愛すべきものを失い続けている。
ダースレイダーラッパー/MC
なぜ世界から戦争はなくならないか、答えはこの映画にある。私が中東の戦場で見た数々の悲劇の裏で蠢く「死の商人」達。彼らを許してはいけない。

志葉玲戦場ジャーナリスト
「彼らと比べたらマフィアも子供みたいなもんだ」
戦争のために兵器があるんじゃない。兵器を売るため戦争が起きる。
オバマが悪魔に見える。
私にコメント依頼が来た訳がわかった。他の人は怖くて断るだろう(笑)
ラサール石井俳優 演出家
人間の欲望は権力と結びつくと暴走する。国家をもコントロールする軍産複合体の実態。しかし、人は本来、中心に「愛」があるはず。そんなメッセージの映画です。
谷崎テトラ放送作家/京都芸術大学客員教授
ブッシュ大統領に靴を投げたザイディ記者に会った時、彼は言った。 「米軍の占領でどれほどのイラク人が死んでいったか」 イラク、シリアでたくさんの命が奪われる瞬間を私は見てきた。 大国や軍需産業にとって戦争はビジネスとなり、 武器を売るには戦争が続かねばならぬ現実をこの映画は見せる。
玉本英子アジアプレス
軍事・武器・兵器とカネ・政治・強欲の関係性は、恐ろしく深い。それらの闇の取引の背後で、誰が殺されてきたのか。武力と国家と企業の「軍産複合体」の中に、日本の未来像を描いてはいけない。
綿井健陽ジャーナリスト・映画監督
なぜ、戦争に使うお金は際限なくあるのに、人を救うお金はいつも足りないのか?人道支援に携わる私はいつもこの問いを抱えてきました。破壊と再建の繰り返し。戦争に依存するビジネス。新兵器の実験場にされ、殺される無辜の人々。腹が立って仕方がありませんでした。”戦争”は儲かるけど、”平和”は儲からない。だから”平和”は永続しない。これじゃ、持続可能な世界を目指しても、軍需産業は淘汰されないでしょう。 映画の最初に「人間はストーリーでできている」と言っていました。人間は、終わりのない戦争、決して平和に辿り着けないストーリーを作り、そのストーリーから抜けられないんでしょうか。でも、その逆のストーリーだって人間は作れるはずだと信じたい。戦闘の最前線で、敵同士がひと時、銃を置いてクリスマスを祝いあえるのも人間ですから。
高遠菜穂子イラク人道支援ワーカー
なぜ戦争が続くのか。刺すような問題意識を縦糸に貴重な証言を横糸に織られた国際政治の裏面のタペストリーだ。そこに、死の商人と政治家の癒着の構図が浮かび上がる。
高橋和夫国際政治学者
この映画は、30年間にわたる世界の武器取引の実態を暴いた『武器ビジネス マネーと戦争の「最前線」』を原作とし、未公開の資料や映像によって、武器ビジネスの実態を暴いています。戦争は簡単にはなくならない。でも、戦争がなぜ起きているかを知れば、なくすための方策も見えてくるのではないでしょうか。
全文(水先案内人池上 彰がセレクト いま、最高の一本 ぴあエンタメ情報より抜粋)
池上彰ジャーナリスト、名城大学教授
あらゆる戦争は、巨額の兵器マネーと権力者への賄賂にまみれている。そこには正義も国民も不在だ。映画は、人間の際限ない欲望が、戦争ビジネスの道を作り続けていることを白日の下に晒した。
望月衣塑子東京新聞社会部記者
偽の大義で始めたイラク戦争は、一般人を積極的に巻き込む「対テロ戦争」となって“敵”をつくり続けてきた。戦争をしたくて戦争をしているようにしか見えないのは、やはり戦争をしたい者たちがいるからなのだ。
安田純平ジャーナリスト
この映画を見るとよくわかる。
戦争は「憎しみ」でなく「欲望」が生むのだと。
そしてこの狂ったゲームのルールを知ることが、
それを止めるための大きな一歩になる。
堤未果国際ジャーナリスト
『シャドー・ディール』で描かれる武器ビジネスの世界は、平和主義を掲げる日本からは遠い世界に映るかもしれない。しかし、それは決して日本とは無縁ではない。(中略)日本政府は二〇一四年に防衛装備移転三原則を新たに定め、武器の国際開発や輸出に道を開いた。日本も武器ビジネスにおけるプレーヤーの一人になろうとしている。
(月間『世界』942号より抜粋)
村瀬健介TBS前中東支局長
〝戦争ビジネス × 腐敗政治〟という悪魔の存在と、敵対する兵士たちが抱き合う最後のシーンに、心の奥底が慟哭した。
四角大輔執筆家・森の生活者