1月30日(土)シネマート新宿・シネマート心斎橋で劇場公開!全国順次ロードショー! ユナイテッドピープル配給作品

全米で同性婚が合法化されたことは、日本にも大きなニュースとして届いた。しかし、そのプロセスを詳しく知る人は少ないと思う。私もその一人だ。
「あぁ、さすがアメリカよね」「うらやましいけど、日本ではまだ実現しそうもないなぁ」
当事者ながらどこか他人事のように受け止めていたことを、映画を観て痛感させられた。

裁判の原告となったカップルの一人が、涙とともにこう語るシーンがある。
「本来の自分を知らないでいるよりは、今の状態で差別を受ける方がマシです。今の私は本来の自分を知っていますから」。
日常のささいな差別に精神的な苦痛を感じながら、それでもなんとか折り合いをつけて自分らしく生きようとする姿は、私自身と、仲間たちに重なる。

原告を支えた弁護士たちの言葉も、また力強い。彼らはかつて共和党と民主党、それぞれの立場で大統領選挙をめぐる裁判を闘った宿敵同士。著名な二人が弁護士として関わったことで、裁判への注目度はさらに高まった。
「国民は全員、平等な権利を持つべきなのです」「多くの人が憲法上の権利を奪われ、人としての品格を奪われている。これは憲法のもとで許されざること」。
語り口は明快でシンプル。揺るぎない信念が伝わる。そんな彼らの姿は、いま私たちを応援してくれる弁護士や支援者の姿と重なる。

原告の涙にもらい泣きし、弁護士の言葉に励まされながら、あっという間の110分だった。生身の人間のありのままの姿と言葉は、やはり、人の心を動かす力がある。

終盤、ある弁護士のセリフが強く心に刻まれた。
「キング牧師は言った。『勝ったのは闘ったからであり、敗北を恐れたからではない』と」。
私は闘っているだろうか。何かを恐れていないか。そして、今できることはなにか。他人事から「自分事」へ。観る者に勇気を与え、新しい一歩を後押ししてくれる、そんな作品である。

小嵒ローマ(NPO法人Rainbow Soup 代表)