騒音は現代の重大な公害問題。静寂は心を鎮め、環境と調和させる。
現代の都市生活は一時たりとも無音状態が存在しない。あらゆるノイズに囲まれており、静寂な時を持つことが特別なことになっている。交通機関などからの騒音は睡眠障害、心疾患など私たちの健康にとって大気汚染に次ぐ重大な公害問題だと世界保健機関(WHO)は指摘する。そんな中、宮崎良文教授は、森林浴によって都会人がリラックスし、ストレスが軽減することや、低下していた免疫機能が改善することを大学医学部等との共同研究で確認した。作曲家ジョン・ケージは無演奏の曲「4分33秒」で、演奏以外の「無」を聴き、そして観るという全く新しい体験をもたらした。『静寂を求めて』は、あらゆる音に囲まれて生きるこの21世紀を、静寂、音楽、騒音などの音に焦点を当て、健全に生きるための方法を探究するドキュメンタリーである。