世界保健機関(WHO)の騒音ガイドライン
世界保健機関(WHO)は1980年から環境騒音(Community Noise)に関する問題提起を行っており、1999年に「環境騒音ガイドライン」を発表している。環境騒音とは、道路、鉄道、航空機、産業、建設、近隣から発せられる不快な騒音のことで、これらの騒音は、聴覚障害、言語コミュニケーション障害、睡眠障害、心疾患、メンタルヘルス等への悪影響を与えるとしている。環境騒音ガイドラインでは、屋外騒音の限度を55dB(デシベル)、学校教室や屋内は35dB、病院30dB、睡眠時30dBを上限としている。
http://apps.who.int/iris/handle/10665/66217
WHO欧州は、2009年に「欧州夜間騒音ガイドライン」を発表し、ここでも長期的な騒音は、精神疾患や心疾患の可能性があるとしている。また、睡眠時の騒音上限を40dBとし、30dB以内だと健康への悪影響は見られないとしている。このように、WHOは環境騒音を現代の公害だとして、科学的知見に基づくガイドラインを発表するなどして、騒音の健康への悪影響について警鐘を鳴らしている。http://www.euro.who.int/en/health-topics/environment-and-health/noise/policy/who-night-noise-guidelines-for-europe
騒音による聴覚障害について
騒音は私たちの聴覚に支障をきたす。 2011年、ジョンズ・ホプキンス大学は、ある程度の聴力障害に苦しんでいるアメリカ人が12歳以上の5人に1人いるという聴覚障害が流行の域に達しているという研究成果を発表。
https://www.hopkinsmedicine.org/news/media/releases/one_in_five_americans_has_hearing_loss
騒音は子供の成功を邪魔する
ロンドン大学の2007年の調査によると、慢性的なの環境騒音に曝された子供たちは、聴覚能力が悪く、高い処理能力を要求する事柄の記憶力が不十分だとしている。また、慢性的に騒音に曝露された子供たちの読解能力テストの成績が比較的悪いとしている。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14757721