2023年9月16日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー 配給:ユナイテッドピープル
「敵の子どもたちを連れて帰るな」
というSNSの空気に負けない覚悟がいい。
ISISに身を投じた娘は助けられなかったけど、
7人の子どもたちは助けたい。
若いじいちゃんの想いが、ヒシヒシと伝わってくる。
久々に素敵なドキュメンタリー映画を観た。
子どもに罪はないはず、としみじみ思った。
感動!感動!
鎌田實医師・作家
イスラム過激派組織であるIS版宗教二世の問題を提示する本作は、信仰のために妻と娘を失った夫が主人公だ。でも孫がいる。奪還は可能なのか。激しい戦闘や殺戮のシーンはない。でも激しい信仰は戦闘や殺戮を伴いながら肉親への愛を引き裂く。このとき政治や制度はどのように機能すべきなのか。投げかけられた課題は多い。
森達也映画監督・作家
パトリシオの7人の孫たちは、「テロリストの子どもたち」なのか。
「過激派組織の下で暮らした子どもたち」を、社会は受け入れられるのか。
これは「子どもたち救出の物語」ではなく、子どもたちが救出された後の世界へ問いかける映画だ。
綿井健陽ジャーナリスト・映画監督
アルホル難民キャンプの子どもたちは、「ISの幼獣」と呼ばれている。このままでは数年後に爆発する「時限爆弾」だとも言われる。しかし、誰も起爆装置を外そうとしない。

このドキュメンタリー映画は、救いようがないほど重い。「テロとの戦い」が遺したものの大きさにただただ慄く。答えも見つからない。こんな解説を読めば、観たくもなくなるだろう。

だからこそ、観てほしい。再び、地獄の扉が開く前に。
2023年8月現在、対IS掃討作戦はイラクとシリアで継続されている。

高遠菜穂子フリーランスエイドワーカー
心から推奨します。ぜひご覧下さい。シリアで拘束されている孫たちの救出に出たある男性。その旅路とISISの下での生活を強いられている子どもたちの窮状を描く、心えぐられる作品です。
土井 香苗国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表
テロリストの子供達にも人権はあるのか。
欧州出身のIS「イスラム国」の戦士の遺族と、
どう向き合うのか。
欧州の人権の理念そのものへの問いかけだ。
高橋和夫放送大学名誉教授
社会に拒絶された「“敵”の子どもたち」を受け入れ、全てを愛する祖父の目が忘れられない。
彼が見たのは希望なのか。それとも、絶望なのか。今も続くシリア内戦が引き裂いた、家族の激動の記録。
須賀川拓JNN(TBS系)中東支局長
ここしばらく私たちの目は、ロシア・ウクライナに釘付け状態になっており、まだ終わっていないシリア・ISIS問題を、「忘れないで!」と言われた気がしました。(全文
関口宏タレント・司会者
パトリシオの素朴な人柄が、このどうしようもない世界を救っている。孫への純真な愛は、ほほえましいだけでなく、人間のもう一つの本性でもある。
(記事全文
佐藤真紀元JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)事務局長