本イベントの総合司会を担当したユナイテッドピープルの岩切です。6月は環境月間。6/8は世界海洋デーでした。前日の6月7日(月)には日本で一番漂着ゴミが多いと言われる対馬で長年フィールドワークを行っている九州大学 准教授 清野聡子さん、ジャーナリストで「追いつめられる海」著者の井田徹治さん、mymizu共同創設者のマクティア マリコさんをお招きし映画『プラスチックの海』短縮・字幕版(22分)の上映とシンポジウムを開催しました。
映画でプラスチックによる海洋汚染の現実を映像で、そして研究者である清野さん、ジャーナリストとして世界中の現場を見てきた井田さん、mymizuをはじめ環境問題に様々な角度で活動しているマクティアさんのお話を伺い、危機迫る現実に絶望的な気持ちにもなりますが、私たちのこれまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の消費社会をなんとかしければならない、私たちが個人で、企業や団体で、国や自治体のレベルでできること、すべきことがたくさんある、という思いを新たにしました。
・プラスチックによる深刻な海洋汚染になす術はないのか?
「諦めてしまったらそれまで」欧州だけでなく、アフリカやアジアでも各国厳しい規制や、様々な取り組みが行われていることが見える。日本でも環境活動や世界の潮流や、成果のあがっている事例を参考に、より変革が求められている。
・マイボトルを使うことなど、一人ひとりのアクションを促すには?また、企業や国、自治体を動かすには?
新たな文化をつくる、変えるにはマインドセットが重要。ライフスタイルやこれまでの「こうでなきゃ」を見直し、買わされる、選ばされているのでなく、自分自身の価値観に合ったものを選択する時代。選択肢は増えてきたが、消費者だけが過剰な責任を負うべきではない。企業や国、自治体に選択肢や制度をつくらせることも重要。
「チョイスとボイス」を意識する
チョイス:環境インパクトの少ない製品を選ぶ、環境問題に熱心な企業の製品を選ぶ、熱心な政治家を選ぶ
ボイス:企業や自治体に声を届ける、選択肢がない場合、その選択肢を求める声をあげる。(SNSやメール、お客様相談窓口などに問い合わせることや、スーパーで不要な包装を断ったりと態度で示すことも)
・プラスチックは悪なのか?紙をはじめとする代替素材への切り替えの是非は?
軽量で安価で便利なプラスチック素材は、温暖化対策に非常に良い側面もある。本当に代替の難しい部分以外を代替していく、全体のプラスチック需要を減らすため、使い捨てプラスチックの使用を減らしていくことが重要。需要が変わらず、代替品が増えていくことは別の環境問題を引き起こすので、生態系を管理しつつ、環境インパクトを如何に減らしていくかを考えよう。
まずは海洋プラスチック問題の実態を知り、まわりの人に話したり伝えること。そして、自分自身がチョイスとボイスを意識すること。改めて、一人ひとりの責任を痛感し、大きな課題を前に絶望するのではなく、前向きにアクションを続けよう、広げようと思えるイベントとなりました。
登壇者のトーク中、コメント欄では、参加者の方の活発なご意見、ご質問も飛び交いました。
・参加者の声(抜粋)
「自治体によってプラスチック製品の処理が違う(可燃ゴミにしたり分別して資源にしたり)ので、統一的な方法を国として決めた方が良いと思います。」
「例えば道端に袋やマスクが落ちていて、それが側溝におちたらもうそれでアウトです。海につながっています。ポイ捨てやめよう!見つけたら拾おう!」
「製紙に使われるエネルギー量・水はとても多いと聞きましたが、また、製紙工場からの汚染物質も多いとか、、、実際、どうなのでしょうか?」
「量り売りや物々交換ができる小さなコミュニティの地産地消が解決策の1つかもしれません。」
「私は毎日捨てるプラスチックを写真にとって計量して記録してます。自分が排出する量や種類を客観的にみると何が無駄で何が仕方ないか、何を選んで買えば良いかがよくわかります。ダイエットと同じでだんだん減ります。」
「とても面白かったです。そもそも論に立ち還り、私は何を自分ではじめようか?と思いました。」
「素晴らしい会でした! ぜひシリーズで継続して開催してほしいです。」
「ありがとうございました!声を届けていきます」
「(映画『プラスチックの海』を)上映します!」
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2020年11月13日に劇場公開されたプラスチック海洋汚染の現実に迫るドキュメンタリー映画『プラスチックの海』(ユナイテッドピープル配給)。
短縮版(22分)の吹替版を制作し、学校の授業などで多くの子どもたちにも届けたい!
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