劇場公開前の11月30日、第26回東京フィルメックスでの『手に魂を込め、歩いてみれば』招待上映後にセピデ・ファルシ監督が登壇。
Q&Aの様子が公開されました。ぜひご覧ください。動画も掲載されています。
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11月30日(日)、有楽町朝日ホールでセピデ・ファルシ監督の特別招待作品『手に魂を込め、歩いてみれば 』が上映された。上映後のQ&Aには監督が登壇し、作品の背景や裏側について語ると共に、来場者からの質問にも答えた。
本作は、イスラエル軍による攻撃が続くガザで暮らすパレスチナ人フォトジャーナリストのファトマ・ハッスーナさんと、ファルシ監督との1年にわたるスマートフォンを介したビデオ通話の記録である。悲惨な状況でありながらも笑顔や希望を忘れないファトマさんの記録を映した本作は、カンヌ映画祭の並行部門であるACIDで世界初上映された。
監督が本作の製作に至ったのは、ガザのことをもっと知りたいという映画作家としての思いからだった。ガザに関して伝わって来るのは有力メディアの報道という第三者を通じた話ばかりで、当事者であるパレスチナ人の声が聞こえてこない。そんな懸念もあったという。「私自身は亡命イラン人です。祖国の厳しい状況を実際に体験した者として祖国についての報道を見ると、当事者や同胞の思いや実感とはかけ離れていると感じることがよくありました。なので、パレスチナの人たちに親近感を覚えるのです」とファルシ監督。、当初は現地での撮影を希望していたが、封鎖によりメディアが入れない状況であったため、行かずして映画を作るという困難な状況を受け入れざるをえなかった。


