Q. なぜ違法伐採者を追跡し、チェーンソーを没収するような活動を始めたのですか?
弁護士になるには、ロースクール在学中にインターンシップに参加しなければなりませんでした。弁護士事務所、裁判所、NGOの中から選ぶことができたのですが、私はNGOを選びました。アテネオ・ロースクールに設置された、アテネオ・ヒューマンライツ・センターがそのNGOでしたが、この団体が私をパラワン島に派遣したのです。
パラワン島に行けてラッキーだと喜びました。観光地として有名な場所に無料で行けるのですから。しかし、私が連れて行かれた場所は、ビーチやトレッキングルートなど観光客が行く場所ではなく、先住民が暮らす場所でした。そして、そこでは人々が先住民の許可なく木を伐採している問題を知ることになりました。
次に、漁業の現場へと連れて行かれました。ここでの問題は漁におけるダイナマイト使用です。ダイナマイトの使用でもちろんサンゴ礁が破壊されます。これらの行為は止めなければなりません。私達のような団体が問題を告発しなければならないと強く思いました。
問題は、政府の法執行者が森にも海にも存在していないことです。ですからインターン中に、政府に代わって法の執行ができるチームを組織しました。旅行者気分でやってきた私が、危険を伴う環境活動の世界へと足を踏み入れたのです。1995年のことでした。それ以後、パラワン島にずっと居続けたわけです。
ロースクールを卒業後、弁護士になった私はアテネオ・ヒューマンライツ・センターの弁護士となりました。アテネオ・ヒューマンライツ・センターは、39のNGOの連携組織であるパラワンNGOネットワーク(PNNI)の加入団体の一つだったのですが、PNNIの代表にならないかと誘われ、代表に就任しました。このようにNGOが束になることは、森林伐採禁止や採掘禁止、漁業規制の法律を提言するために必要なことです。