11月7日、福岡県内で初上映となる映画『ミッドナイト・トラベラー』の上映ならびに、ペシャワール会・PMS支援室室長藤田千代子さんからのご報告会を開催し、85名の方にご参加頂きました。
映画上映後、ペシャワール会・PMS支援室室長藤田千代子さんからは、これまでのペシャワール会・PMSのあゆみとともに、故中村医師の言葉、長年現地で共にされてきた医療支援、灌漑事業、農業支援についてお写真を交えご報告を頂きました。
「医者になって40年後、重機に乗ってアフガニスタンの川の中にいるとは想像もしていなかった」(中村哲)
医師として現地で医療活動を続ける中、干ばつの被害により清潔な水が得られないために病死するこどもも多い状況を見かね、清潔な水の確保のため井戸を掘り始めた中村医師。その後、ますます水源が枯渇し、水の確保、すなわち食糧の確保や農業が立ち行かなくなる中、医師である自身の専門外である灌漑事業、農業支援を進め、緊急時には食糧支援も行いました。
「目の前に困っている人がいたら、手を差しのべる、これは普通のことです。」(中村哲)
医師という枠を超え、幾多の困難に直面しながらも「目の前の命を助ける」という信念のもと、現地に寄り添い続けた中村医師と一緒に現地で20年以上活動を続けられている藤田さんのお話に参加者の皆様も真摯に耳を傾けていらっしゃいました。
「国境を越えられない人たちは、首都に逃れるはず。誰も助けんなら、PMSが行こうや!」2001年3月、首都カブール(中村哲)
中村医師、またペシャワール会・PMSが日本の方々に一番知ってほしい、伝えたいとしていることは、気候変動による2000年頃からの大規模な干ばつ被害のことです。かつて食料自給率90%以上の豊かな土地であったアフガニスタンでは、現在も大規模な干ばつ被害により多くの人々が苦しんでいます。この冬、さらに深刻な水・食糧不足が懸念されています。
参考:
タリバンの攻撃より危機的 干ばつ広がるアフガニスタン
国連機関は10月25日、アフガニスタンではこの冬、2200万人以上が「深刻な食糧不足」に陥るおそれがあると発表。
情勢が不安定な同国は、世界でも最悪レベルの人道的な危機に直面すると警告しました。
また、ユナイテッドピープル代表の関根からは、最後に『ミッドナイト・トラベラー』のハッサン・ファジリ監督関係者50名を含む「アフガニスタンで命の危険に晒されている人々に退避と保護を」クラウドファンディングのことをお伝えしました。
※クラウドファンディングは11月22日(月)11:00までです。
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