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カンヌ国際映画祭2025
ACID部門正式出品
映画批評家ランキング第1位

手に魂を込め、歩いてみれば

廃墟のガザで撮影を続けるフォトジャーナリストと
彼女を見守るイラン人監督

1年にわたるビデオ通話で紡がれた 比類なきドキュメンタリー

2025125日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国順次ロードショー

彼女生きる力
奇跡のようだった

カンヌ映画祭ACID部門

今こそこの戦争を撮って
世界に見てもらう必要がある。
苦しみを全て記録するの。
他に誰がやる?

ファトマ·ハッスーナ

映画には、彼女たちのメッセージを伝える義務が、 社会を映し出す役割がある。手遅れになる前に行動を。

カンヌ映画祭2025前夜、リチャード・ギア、マーク・ラファロ、ガイ・ピアース、レイフ・ファインズなど350人以上の業界関係者が ファトマ殺害と業界の沈黙を非難し署名した手紙より。

Story ストーリー

イスラエルによるガザ攻撃が続いていた2024 年、イラン出⾝の映画監督セピデ・ファルシは、緊急に現地の⼈々の声を届ける必要性を感じていた。しかし、ガザは封鎖されており⾏くことは出来ない。そこ で、知り合ったガザ北部に暮らす24歳のパレスチナ⼈フォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナと のビデオ通話を中⼼とした映画の制作を決意する。

以後、イランからフランスに亡命したため祖国に戻れない監督と、監督の娘と同じ年齢で、ガザから出られないファトマとのビデオ通話が毎⽇のように続けられた。そして、ファトマは監督にとってガザを知る⽬となり、監督はファトマが外の世界とつながる 架け橋となり、絆を築いていく。

ファトマは空爆、饑餓や不安にさらされながらも⼒強く⽣きる市⺠の姿や、街の僅かな輝きを写真に収め、スマホ越しにガザの様⼦を伝え続けた。監督が「彼⼥は太陽のような存在」と形容するように、彼⼥はい つも明るかったが、度重なる爆撃で家族や友⼈が殺されていくにつれ、表情を暗くしていく。そして悲劇はファトマをも襲う。2⼈が交流を始めて約1年後の2025 年4 ⽉15 ⽇、本作のカンヌ映画祭上映決定 の知らせを、ファトマは喜んだが、その翌⽇、イスラエル軍の空爆でファトマを含む家族7⼈が殺され てしまったのだ。

25歳になったばかりのファトマの死は、本⼈が「もし死ぬのなら、響き渡る死を望む」 と書いたように、世界中に波紋を広げることになる。

ファトマは今夜、私たちと共にいるべきでした。芸術は残り続けます。

カンヌ国際映画祭2025 審査員⻑ ジュリエット・ビノシュ 開会式でのスピーチ

Director's Statement
監督声明

監督 Director

セピデ・ファルシSepideh Farsi

ファテム*は殺害された時、ちょうど25 歳になったばかりでした。私はカイロでパレスチナ⼈の友⼈を介して彼⼥と知り合いました。当時、私はガザへ⾏く⽅法を探し 求めていました。ガザへの道は次々と封鎖され、シンプルながら複雑な質問の答えを探していました。


「あの包囲下で、何年も⽣き延びるにはどうすればいいのか?」


「パレスチナの⼈々は、戦⽕で荒廃した祖国でどのような⽇常を送っているのか?」「イスラエル国家は、数百平⽅キロメートルの⼩さな地域に、数多くの爆弾とミサイルを投下し、ガザの住⺠を飢餓に追い込むこと で、何を消そうとしているのか?」


そして、ファテムはガザでの私の⽬となり、私は彼⼥にとって、世界への窓となりました。


私はビデオ通話でファテムが私と共有してくれた、情熱的で⽣き⽣きとした全ての瞬間を撮影し続けました。彼⼥の笑 い声、涙、希望、そして絶望を撮影しました。私は直感に従い撮影していました。これらの映像が私をどこへ導くのか知りませんでした。 それが映画の美しさで、⼈⽣の美しさです。


2025 年4 ⽉16⽇にファテムの死のニュースを聞いた時、私は信じられず、何かの間違いだと思いまし た。数ヶ⽉前、同じ姓の家族がイスラエルの攻撃で命を落とした時の間違いのように。信じられない思いで彼⼥に電話をかけ、メッセージを送り続けました。 指⼀本で押されたボタンが爆弾を投下し、ガザの⼀軒の家を、そこに⽣きる輝かしい命ごと消し去りました。 もはや疑いの余地はありません。


いまガザで起きていることは、2023年10⽉7⽇にハマスが⾏った犯罪への報復ではなく、イスラエル国家によって⻑期にわたり続けられているジェノサイドなのです。

ファテムとはファトマの愛称

セピデ・ファルシ Sepideh Farsi

イラン⼈の映画監督セピデ・ファルシは、13 歳で⾰命を経験し、16 歳で反体制派として投獄され、18 歳で故郷のイランを離れました。以来パリを拠点に、数学を学び、写真を撮影し、ドキュメンタリー、フィクション、アニメーションを含む 15 本の映画を制作してきました。その中には、『Tehran Without Permission』(ロカルノ映画祭)、『Red Rose』(トロント国際映画祭)、そしてイラン・イラク戦争を扱った⻑編アニメーション『The Siren』が含まれます。後者はベルリン国際映画祭パノラマ部⾨の開幕作品となり、数多くの賞を受賞しています。 現在はイラン・ウェスタン映画プロジェクトに取り組む⼀⽅、⾃⾝の⽣涯を題材にしたアニメーションプロジェクト『Memoirs of an Undutiful Girl』の開発を進めつつ、イランの⺠主化運動にも尽⼒しています。

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