生態系を破壊する無法状態の乱獲は、漁船という監獄に閉じ込められた奴隷によって支えられている。その魚は私たちの食卓にもあがっているかもしれない。SDGsを掲げるなら、まずこの映画を見て、現実を知らねばならない。
洋上は監視の目の届かぬ無法地帯で、世界中から集められた奴隷たちが、覚醒剤を使って長時間労働をさせられている。密着ドキュメント映像によって、我々は海の上の地獄を体験できる。この魚を食べているのは我々だ。
「当たり前」を生きていると、私たちは知らないうちに問題に加担する当事者になる。この映画は、海の奴隷の真実を明らかにしてくれた。問題を知る、ということは、言い換えれば、解決への一歩を踏み出したことになるのだ。奴隷撲滅に動くパティマさんの姿に希望を見出した。
世界有数の水産物輸出国・タイ。それは奴隷労働による「安価な労働賃金」が支えているのかも? タイの水産物輸出先第2位・日本の私たちは、まずは現状を知ること。状況は変えられる!という希望の映画でもあります。
あまりにも非道な奴隷労働で獲れた魚を無自覚に口にしていたことにゾッとした。下手なホラーより背筋の凍るような現実が突きつけられる。魚介消費大国日本に住む我々が見るべき一作。
私たちの食卓上のおいしい魚が、奴隷たちの苦しみで獲られているとしたら…。映画は背筋も凍る現実を突きつける。でも希望はある。奴隷労働はNOとはっきり言おう。私たちだけが、日本の輸入会社を、日本の政府を動かせる。映画を見て、現実を知って、声をあげて、人を救おう。
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