フォトグラファーの亀山ののこさんから、映画『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』のレビューが届きました!
「親友がみな死んでしまったよ」
銃声で棺を送る。
怒り、悲しみ、絶望、恐怖。言葉にならない。
すべて同時代に起きていること。
小さなカメラで命がけで撮られた、貴重な貴重なドキュメント。
シリアで起きてることがリアルに伝えられる。
カメラの前で素顔を見せる、反政府運動のリーダー、バセット。
サッカーのスター選手だった。非暴力をつらぬきたかった彼らだが、家族を仲間を殺されつづけ、武装していく。
ふるさとであるはずの町が破壊され戦場に廃墟になっていく。
バセットも、カメラに映ったあの若者もみんな、安心して眠り、家族とご飯をたべ、笑って暮らす、そんな当たり前の権利があるはずだ。
でもそれが、当たり前なのか?と思わされる。
今も、彼らは戦闘の中にいる。
私たちは今、どれだけ幸せなんだ。
手放しちゃいけない。
手放しちゃいけない。
戦争と武力を蜂起した憲法9条。
平和には武器も軍もいらない。
バセットたちが安心して休める日が、ふるさとで暮らせる日が一日も早く訪れることを望む。
戦争のない世界を望む。
どうか多くの人に観てもらいたい、そう思います。