3月7日(土)イメージフォーラムで公開の始まった映画『ホールディング・リアット』のブランド・クレーマー監督とのQ&Aの様子の一部をご紹介します。
「映画で人命を救い紛争を終わらせたい」
私はこの紛争で喪失を経験し、その喪失を平和と和解の場へと向ける選択をした人々についての映画を作りました。
個人的には、ミサイルや爆弾、あるいは暴力によって、この紛争が解決されるとは思っていません。
今、起こっていることは、文化や国境を越えた人間の非人間化です。
一方から他方へ向けられる憎悪が、トランプであれネタニヤフであれ、誰であれ、指導者たちが暴力を正当化する根拠を生み出しています。そして私たちは、「暴力こそが答えだ」という主張を信じ込まされてしまうのです。
映画監督として、芸術家として、私にできる役割は映画を作ること。
この状況を打破しようとする物語を語ることです。
そして、共感が存在しない場所に共感を生み出すこと。
隔たりを越えて、人間的なつながりを生み出すこと。
私は、こうした活動によって、人命を救い、紛争を終わらせることができると心から信じています。
「『手に魂を込め、歩いてみれば』なども観てほしい」
私もあなたと同じ気持ちだから、この映画を作ったのです。
私は家を出て、特に10月7日の後から、ある友人グループと一緒にいると、経験する物語は一つだけになったと感じました。彼らの議論はスマートフォンの中で広がり、共感は一方的なものになります。そこには敵がいて、善人と悪人がいるという単純な構図が作られてしまう。
一方で、私はユダヤ系の家族と一緒にいます。彼らはまったく反対の会話をし、まったく反対の物語を体験しています。そして、その対立は私自身の世界の中にも渦巻いていました。
だからこそ、この映画を制作したかったのです。
そして、私の家族が異なる視点を持っていたという事実は、私にとって大きな贈り物でした。これこそ映画にすべきだと感じたのです。
皆さんには、このような映画を探してほしいと思います。
私の映画が特別だとは思っていません。私はどの観客にもそう話してきました。
この映画を携えて訪れた国は、これで22か国目になります。上映会はすでに100回近く開催されました。
そして皆さんには、他の視点から語られる物語にも触れてほしい。
ベイニン家やアツィリ家の物語は、その一例にすぎません。
日本にも届けてほしい映画があります。『ヒンド・ラジャブの声』です。もしまだ公開されていないなら、ぜひ公開を望みます。パレスチナの少女についての、信じられないほど強い映画です。彼女はガザでイスラエル国防軍によって命を奪われました。
また、『手に魂を込め、歩いてみれば』という作品もあります。ユナイテッドピープルが配給しています。
さらに昨年アカデミー賞を受賞した『ノー・アザー・ランド』もあります。
私はその映画の制作者たちに会うため、ヨルダン川西岸を訪れました。そこで映画制作者の一人に会いましたが、私が会ったわずか2か月後、彼はイスラエル人入植者によって冷酷にも殺害されました。
これらの映画は、いま緊急に世界へ届けられる必要があります。
ドキュメンタリーを支援し、独立系映画館に足を運んでください。
劇場に行くことは、民主主義が存続し、私たちが情報を得るための――まさに聖域なのです。





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